【食品分析】目に良いとされる『ルテイン』とは?

リモートワークやオンライン授業など、大人から子供までパソコンやタブレットなどに触れる機会が増えた現代、便利な反面、目の負担は重くなるばかりです。そんな目の負担に『ルテイン』という成分が良いとされていることを知っているでしょうか。

ルテインの摂取によって、もたらされる効果などを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ルテインとは一体どんな成分なの?

ルテイン(Lutein)とは、強い抗酸化作用をもたらすカロテノイド成分の一種になります。体内では主に、眼球の水晶体、網膜、皮膚などに存在しており、紫外線やブルーライトなどによるダメージを軽減させる役割があります。

また、抗酸化作用には老化防止の作用もあることから、目の老化防止にも良いとされています。ルテインは体内で生成することができない成分であるため、食べ物から摂取する必要があります。ルテインが含まれている食材として、代表的なものは、ほうれん草や人参などの緑黄色野菜が挙げられます。

植物では、マリーゴールドなどの黄色い花の花びらに多く含まれています。

ルテインを摂取すると、どんな効果があるの?

ルテインは主に目に良いとされており代表的なものとしては、ブルーライトから目を保護する効果、コントラスト感度の改善、目の老化防止、白内障の予防の四つが挙げられています。一つ目のブルーライトから目を保護する効果として、ブルーライトとはパソコンやスマートフォンなどの光に多く含まれる青色光のことを言い、紫外線に近い強いエネルギーを持っています。

そのため、角膜や水晶体で吸収されず、網膜まで光を到達させてしまい、目にダメージを与えてしまいます。

ルテインには青色光を吸収する作用があるため、ブルーライトによる目のダメージを軽減できる効果があるとされています。二つ目にコントラスト感度の改善を挙げましたが、コントラスト感度とは、色の微妙な濃淡や、輪郭があいまいな線や図形をはっきりと認識する能力のことを言います。

コントラスト感度が下がると、モノがぼやけて見えるようになりますので、色の見分けがしにくくなったと感じる方は、ルテインを摂取することで感度の改善効果が期待できます。三つ目の目の老化防止ですが、モノを見るときに重要な働きをする眼球組織の黄斑が、加齢とともにダメージを受け、視力の低下を引き起こす病気『加齢黄斑変性症(AMD:age-related macular degeneration)』を予防させる効果がルテインには含まれています。

四つ目の白内障の予防効果ですが、白内障は何らかの原因で目のレンズにあたる水晶体が白く濁り、モノがかすんだり、ぼやけて見えてしまう症状のことを言います。白内障は主に加齢が原因と言われており、抗酸化作用の高いルテインは、白内障のリスクを軽減させる作用があると考えられています。

他にもルテインには、目だけではなく肌にも良い効果をもたらすとされています。肌の効果としては、皮膚の保湿性や弾力を向上させ、紫外線から肌を守る効果が期待できます。目の健康維持と美肌効果が期待できるルテインは、積極的に摂取したい成分ですね。

ルテインを多く含む食材は何?

ルテインは、ほうれん草や人参、小松菜、よもぎ、ブロッコリー、かぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれていますが、中でもケールはルテインがもっとも多く含まれています。ケールには、ルテインの他にもビタミンやカルシウム、食物繊維やメラトニンなど、栄養価の高い成分が含まれ、生活習慣病の予防にも効果があるとされていますので、血糖値など目以外にも気になる部分がある方は、ケールを積極的に取り入れることが良いでしょう。

調理が難しい方は、ケールを使った青汁などもありますので、自分に合う方法で効率良く取り入れましょう。ルテインを取り入れるときに覚えておきたいことは、ルテインが脂溶性であることです。脂溶性の成分は、水には溶けにくく、油には溶けやすい性質となりますので、炒めて食べるなど、油を使って調理することが効率良く吸収できる方法でしょう。

ルテインと相性の良い成分

ルテインはゼアキサンチン(zeaxanthin)という成分と一緒に摂取することで、目の老化防止に相乗効果があるとされています。ゼアキサンチンはルテインと同様に緑黄色野菜から摂取することができ、ルテインが豊富に含まれているケールには、ゼアキサンチンも豊富に含まれています。

ケール以外にも、ルテイン同様ほうれん草や人参などにも含まれていますので、緑黄色野菜は目の健康にとって欠かせない食材ですね。サプリメントなどの健康食品で摂取する方は、ルテインとゼアキサンチンが含まれているか確認して購入してくださいね。

ゼアキサンチンの他にも、目の健康維持に良いとされている成分としては、アスタキサンチン(astaxanthin/astaxanthine)やアントシアニン(anthocyanin)がルテインと相性の良い成分とされています。

アスタキサンチンは、鮭やいくら、海老などに含まれており、ルテインと同様に強い抗酸化作用があります。眼精疲労の改善効果や、動脈硬化の予防、疲労回復の作用があります。アントシアニンは、ブルーベリーや茄子、紫芋などのポリフェノール成分が高い野菜に多く含まれています。

アントシアニンには、視力や視覚機能の改善、眼精疲労の予防効果があります。

ルテインは一日にどのくらい摂取すると効果がある?

ルテインの一日あたりの摂取目安としては、6mgから10mgを摂取すると効果が出ると言われています。

一日の摂取量としての上限については、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)による合同食品添加物専門会議(JECFA)で体重1kgあたり0mgから2mgと設定されています。

そのため、体重が50kgの人は一日あたり100mgが摂取量の上限となります。ほうれん草100gから摂取できるルテインの量は約5mgになります。

緑黄色野菜を毎日の食事で摂取することが一番望ましいですが、毎日食べることには限界があります。今は、サプリメントなどの健康食品も種類豊富にありますので、自分のライフスタイルに合わせて、無理せず効率的な方法で積極的に摂取していきましょうね。

まとめ

ルテインは目の健康維持にとても良い食品であることが分かりましたね。スマートフォンやタブレットの普及で便利で快適になった生活を、これからも存分に楽しむためにも、今からできる身体づくりを始めてみてはいかがでしょうか。

ルテインは、身近な食べ物からも十分に摂取することができますが、サプリメントや青汁など効率良く摂取できる方法もありますので、自分に合う摂取方法を見つけ、ぜひ試してみてくださいね。